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いのちの最終ラインを引き下げるな - 国民の権利・生活保護を守りぬく大運動を
- 社会保障の会が学習会

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社会保障をよくする蕨の会は17日、蕨自治会館で「生活保護で、いま何が起きているの?」と題して講演会を開きました。古城英俊弁護士(埼玉総合法律事務所)が講師をつとめました(写真)。

古城氏は、東日本大震災でさいたまスーパーアリーナに避難した双葉町の被災者支援の活動や、デンマークの社会保障制度調査団への参加など、貧困問題にも取り組む若手弁護士です。前日も川口でホームレスの相談活動に参加していたと自己紹介しながら、話を進めました。

講師は、生活保護法の第1条から4条を詳しく解説。1条は法の目的。2条は、無差別平等に、条件を満たせば誰もが受けられること。3条は、健康で文化的な生活を維持できなければならないと定めています。4条は、保護の補足性を定めています。5月頃、高額所得の芸能人がマスコミでたたかれましたが、4条2項で、親を扶養することは、保護の「要件」ではなく、保護に「優先」して行われると定めている意味を説明。親や成人した子、兄弟姉妹同士は、本人の社会的立場に応じた生活を送る範囲で、余裕があれば、扶養(援助)すればいいという意味です。マスコミが騒いだ件は不正受給ではないと、法の立場から詳しく述べました。

その上で講師は、生活保護の申請方法、扶助の内容、働いていたら受けられないなどの生活保護に関する誤解、などを詳しく解説し、生活保護制度は、生活に困窮した場合に誰もが受けられる、最後のセーフティーネットであることを、わかりやすく説明しました。

最後に講師は、政府が検討している生活保護基準の切り下げには、弁護士会も反対しているとして、その理由を解説。基準の切り下げ(金額の減額)は、受給者だけの問題ではない。基準が下がると、非課税の低所得世帯が課税されるようになること、就学援助・高校授業料・障がい者医療費・介護保険料などの減免制度が使えなくなる世帯が増えること、最低賃金が下がり労働条件が悪くなること、消費が落ちて景気が悪くなるなど、社会全体の問題だと述べました。そして、参加者の皆さんが友人知人にこの問題を伝え、生活保護基準引き下げをストップさせようと訴えました。

学習会は、総選挙日程が突然決まった直後に行われました。主催者は、「今度の市議会に生活保護を守れとの請願を会として出した」「総選挙でだれが私たちの味方なのか見きわめたい」とあいさつしました。75人の市民が参加し、「生活保護は自分の問題なんですね」「生活保護は権利なんだということがよくわかった」などの感想がありました。日本共産党蕨市議団から志村・鈴木・梶原各市議が参加しました。