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世界に広がる核廃絶への願いと被爆者の思いに触れて - 市会議員 鈴木さとし

原水禁長崎大会会場にて筆者
原水禁長崎大会会場にて筆者
原水爆禁止世界大会に参加する度、広島・長崎を訪れる度に新しい発見や感動に出会います。

今回、特に感じた第一の点は、核兵器廃絶が、国際政治の場では具体的な現実の課題として力強い動きとなっているという点です。国連の潘基文・国連事務総長のメッセージやアンゲラ・ケイン軍縮上級代表の演説には、核廃絶に対する真剣な思いとともに、日本の運動への敬意と信頼が表れていました。「ニューヨークでさらに膨大な量の署名を積み上げよう!」等、世界中、日本各地からの発言は、必ずやりとげる決意に満ちていました。

二点目は、長崎市の田上市長が「核兵器の非人道性こそが人間の視点であり、一人ひとりがつながれる、全員が共有できる視点であると思います」発言し、多くの海外代表も触れているように、「非人道性」の訴えが国際社会を動かし始めているということです。多くの国々が賛同した核兵器の非人道性を告発し、その禁止を求める共同声明に被爆国日本が反対した異常さが浮き彫りになりました。

第三は、こうした動きを積み上げる歴史の中には、言い尽くせない苦しみや悩みの中で活動を続けてきた被爆者の皆さんの努力があり、世界の核廃絶運動は、敬意を持って被爆者の思いに応えようとしていることです。主催者報告では「地獄を見たトラウマとたたかいながら世界中に核廃絶を訴え運動を支えてきた」と紹介。私が二日目に参加した被爆遺構と碑めぐりでは、被爆者の方が、自分の子どもや身内の孫の世代に深刻な影響が出ていることを告発。辛い思いを乗り越え語っていただいた内容は心に突き刺さる思いでした。

被爆者の高齢化の影響が指摘されますが、今大会に若い世代が多数参加し、被爆者の思いを引き継ぐ様々な取り組みを行ったのは大きな希望と感じました。