わらび9条の会/宇都宮健児弁護士招き講演会
憲法改悪を許さない!
9月22日、わらび9条の会は前日弁連会長の宇都宮健児弁護士を招き「日本国憲法の力と平和・文化・人権のゆくえ」をテーマに講演会を開催しました。
はじめに、主催者を代表して東顯実行委員長が挨拶。貧困問題等に取り組み、都知事選では候補者としても奮闘してきた経歴を紹介し、「学んで明日からの力に」と呼びかけました。続いて、来賓の??英雄市長も挨拶し、「かつてなく憲法のあり方が問われている」と情勢について述べ、憲法25条の生存権に関連して蕨市政の取り組みも紹介しました。
その後、大きな拍手に迎えられて登場した宇都宮弁護士は「多くの講演依頼を受けてきたが、市長さんが挨拶したのは初めて」と切り出し、講演に入りました。講演では、はじめに参議院選挙後の情勢について、当面、明文改憲が容易にできる状況はないと語る一方で、集団的自衛権行使を容認するよう憲法解釈を変え、国家安全保障基本法や秘密保全法を国会の過半数で成立させることによって、事実上の9条改定が狙われている今日的な危険性を指摘。これらを阻止するために圧倒的な世論と運動が必要と強調しました。
また、アメリカといっしょに戦争する体制づくりが進むことで、自衛隊を希望する若者が減少すること、アメリカでは格差の拡大と高学費等によって貧困層の若者が軍隊に就職せざるをえない状況となっていること、それは、社会保障の切り捨てや貧困拡大が進む今日の日本の状況と共通していること等も語られました。
自民党の改憲草案については、現在の憲法で保障されている国民主権や基本的人権、平和主義などの基本原則が変容されようとしている危険性について各条項を通して指摘。さらに、これからの運動について、イデオロギーや立場を超えて繋がること、さらに広範に運動を広げること等の重要性を訴え、今の情勢は危機的ではあるが、一方で立憲主義や憲法の基本原則を日本社会に定着させるチャンスでもあると強調し、講演を締めくくりました。
講演を聞いた人たちからは「今の情勢が良く分った」「胸が熱くなる力の入った講演だった」「格差拡大や社会保障改悪等、様々な問題が民主主義や平和などの問題とも関連していることを知ることができた」などの感想が語られました。