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「愛国心」の押し付けを危惧 - 道徳の教科化と教科書

中学校での道徳教科化を来年度に控え、各地で、6月に教科書の展示がおこなわれ、8月には教科書が採択されます。以下は、道徳と教科書の問題についてのしんぶん赤旗(6月15日付)記事です。

この記事で、「子どもと教科書大阪ネット21」事務局長の平井美津子氏は、「道徳の教科化を進めている人たちは、憲法改正の発議をするときに抵抗しない子どもたちをつくろうと狙っています」と指摘しています。特に安倍首相の演説を載せている「日本教科書」の教科書については、「偏った子供像や歴史観『愛国心』を押し付けようとしています」と厳しく批判。また、同教科書「14歳の責任」では、「14歳になると法的責任を負うため、いじめ被害生徒を自殺に追い込むと少年院に入れられ、『地元に帰ったら針のむしろ』、賠償金は一生続く、と脅します」とし、「ルールや法律がなぜ必要なのか、憲法や少年法の理念である、未来を担う子どもたちを育てる視点が足りない」、「ライフ・ロール・人生の役割」での記述については、「家族の姿が固定化され、家事や介護は母の役割と思い込まされます」と、それぞれ批判しています。

さらに、「数値による評価は行わない」とされているのに、8社中5社の教科書に自己評価欄がついている問題にも言及。「『愛国心』など徳目の達成度を数値や記号で評価させることは子どもの考え方を縛りかねません」と述べています。

この記事の最後で、平井氏は、「そもそも自分と他者がどうかかわるかということは、教科書で押し付けられるものではなく、子ども自身が自分の実生活の中で体験し、育むこと」と述べ、「道徳を教科にすること自体についても考え直すべき」と結んでいます。