index
「アベノミクス」の破綻と財政再建への道 - 全県地方議員会議報告 - 市議会議員 鈴木 智

日本共産党埼玉県委員会主催・全県議員会議2日目(8月22日)、党政策委員会の垣内亮氏による講義「『アベノミクス』の破綻と財政再建への道〜消費税増税なしに社会保障の財源は確保できる〜」について紹介します。

はじめに垣内氏は、「アベノミクス」の5年半を振り返り、大企業・富裕層が大儲けしても国民の暮らしには回らず、財政再建の見通しも立たないまま行き詰まっていると指摘。上場企業の利益や株の配当金は、激増している一方で、労働者の実質賃金は2013年以降、家計の実質消費支出も消費税の8%への増税が行われた14年4月以降、それぞれの12年平均を下回っていることなどを示しました。さらに、大企業の利益増は売り上げ増ではなく、人件費などのコストカットや公的マネー投入による株式の買い支えなどによるものと、「アベノミクス」の矛盾を批判しました。

続いて、消費税増税について、低所得層や年金生活世代にとって一層厳しい状況を生じさせるものであることなどの問題を指摘。1989年の消費税導入以来、消費税収は累計372兆円となる一方で、いわゆる法人三税の税収は291億円も減っているなどの矛盾も示しました。

そして、現在の税制度が大企業や大資産家、高額所得者などに有利な制度になっている実態を指摘し、これらの是正や歳出の浪費をなくすことで、当面17兆円、将来的には23兆円の財源となることを紹介。消費税増税によらない社会保障充実の方向を示しました。

開会中の市議会でも、17年度決算審議では、市民の平均所得(総所得の平均)は伸び悩む一方で、株式の配当や譲渡による利益は高い水準を継続している状況が示されました。国の政治や経済のあり方を国民の視点で変えることの重要性を実感しています。