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埼玉県地方議員会議ー学校給食の無料化 群馬県での運動と到達を学ぶ(市議会議員 鈴木智)

8月19日の「埼玉県地方議員会議」の学習会では、群馬県で無料化が広がった経緯、議会や市民運動の取り組みについて、伊藤祐司・群馬県議が講演しました。

 群馬県では、全35市町村中、14市町村で小中学校給食費の完全無料化を実施し、15市町村で一部助成又は条件付助成が行われています。
 
はじめに語られたのは、子どもの貧困が深刻さを増す中、少子化に悩む群馬県南牧村が学校給食費の完全無料化を実施したことを受け、伊藤県議は群馬県としての無料制度をめざし奮闘したこと。その結果、県では実らなかったものの、各地の運動や選挙での論戦もあり、少子化や人口減少に悩む自治体に、さらにその近隣自治体へと無料化が広がっていったそうです。

 「村の教育を(義務教育は無償という)憲法の理念に近づけたい」「生涯を通じて食育に取り組める環境を」「未来にはばたく子どもたちを応援するメッセージ」といった首長や担当職員の言葉、同時に進められた給食の「自校化」や地産地消など取り組みの発展、「バイトを一つ減らして子どもと触れ合う時間が持てた」「月に一度家族で外食できるようになった」「バラマキとの批判を心配したが、高齢者からも『子どもは宝』と歓迎された」などの反応も紹介されました。
 
さらに伊藤県議は、◇学校給食は教育であり義務教育を無償とした憲法26条の理念を大きく打ちだすこと◇学校給食法の規定は食材費の保護者負担への補助を禁止する意図ではないこと◇財政的な課題はあるが優先順位の問題として議論できることなど、論戦上の視点とともに、「学校に格差を持ち込ませない」など運動への共感の広がりについて生き生きと語りました。

 蕨市での実施を考えれば、財政面での課題は決して小さくありません。しかし、無料化を求める市民の状況は蕨市も同様です。多くの自治体が実施している現状に励まされるとともに、実現に向けた様々な視点を学ぶ機会となりました。