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埼玉社会保障学校でまなぶ(市議会議員 やまわき紀子)

9月3日、埼玉会館において埼玉県社会保障推進協議会主催の第29回埼玉社会保障学校が開催されました。オンラインでも受講でき14団体から124人が参加しました。

 はじめに「人間の尊厳・人権を考える」と題して芝田英昭氏(立教大学教授)が講演しました。

 芝田氏は「人間は知恵がありながら平気で人間の尊厳を踏みにじる行為(=戦争)に明け暮れている。高度な知恵を持つ人間が約76億人もいる地球で現在その3割強の人間の約23億人が紛争地域で暮らしている」と述べました。さらに、ドイツと日本の戦後の有り様についてふれ、「ドイツは戦後77年にわたりその罪を追求している。しかし、日本は戦後の主権回復後に戦犯は減刑にされ、従軍慰安婦謝罪要求には拒否している。過去に目を閉ざすものは結局のところ現在も盲目になる。非人間的な行為を心に刻もうとしないものはまた、そうした危険に陥りやすい」と現政府を批判しました。

 最後に、芝田氏は能力の協同性の視点から協同の力を考えるとして、「協同の力・運動・実践主体は、社会保障運動における重要なポジションにいることを自覚し、未来の人々に健康で生き生きとした社会を提供できるよう協同していこう」と訴えました。

 次に、「女性と憲法ー女性にとっての社会保障とは?」と題して岡野八代氏(同志社大学大学院教授)がイギリスからオンラインで講演。

 岡野氏は、女性の経験からみる戦争や政治の大切さを述べました。また、憲法破壊とわたしたちの暮らしについて話し、市民を育てることに関心のない安上がりな国である日本について様々な統計から明らかにしました。「教育費の高さ、大学における女性の割合は最低。女性賃金の低さ、無償労働に追われる日本の女性たち・・・女性たちは不平不満を政治に大いにぶつけよう」と話しました。

 最後に「憲法9条、13条(=戦争国家への抵抗)と、24条と25条(=国の責任で市民の生活を守らせる)を一体で理解することは、憲法を破壊する政治に対抗することになる」と述べ、「一人ひとりがわたしたちの政治の重要性を考えていこう」とまとめました。