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2022年9月議会一般質問(南町2丁目マンション問題・補聴器補助制度・給食無償化)

◆良好な住環境を守りたい 南町2丁目のマンション問題
山脇 蕨市都市計画マスタープランの第4章「地域別方針」の南町の(3)「地域づくりの取組方針」の内容はどのようか。また、この土地利用の方針をもとにどのような検討が行われているか
都市整備部長 地域づくりの目標を実現するため、取組の項目を「土地利用」、「都市施設」、「景観まちづくり」、「安全・安心まちづくり」の4つに分類し、整理しております。
「土地利用」の項目では、取組方針を「地域の特性を活かした良好な住環境の誘導・維持・保全」としておりますが、その内容は、“住宅地については、良好な住環境の維持・保全を図るため、敷地の細分化や周辺と調和しない高さの建築物の抑制など、地域の特性に応じた建築物に関するルールを定められる地区計画制度等の導入を検討する”としております。
「この方針に基づく検討」につきましては、都市計画マスタープランは、昨年10月に策定したところであり、今後、地域の状況や都市計画基礎調査なども踏まえながら、各種方策を検討してまいりたいと考えているところです。

山脇 蕨市景観計画の第6章「良好な景観形成の方針」の(1)土地利用別景観形成方針の住宅地の内容はどのようか。また、この方針をもとにどのような取り組みが行われているか
部長 「やすらぎの感じられる景観をつくる」としており、その内容は“色彩や高さ、規模の調和を促すなど、落ち着きややすらぎの感じられる暮らしの場にふさわしいまちなみの景観を形成する”などとしております。
「この方針に基づく取り組み」につきましては、蕨市景観計画は来月1日から施行することになりますが、一定規模以上の建築行為などを行う場合には、景観形成基準を遵守するように窓口での指導をはじめ、行為の届出を義務付け、計画を審査し、良好な景観形成を誘導してまいります。

山脇 このような蕨市の計画と照らして、現在、南町2丁目に計画されている(仮称)蕨市南町計画(5階建て79戸のマンション)についてはどのように捉えているか
部長 都市計画法をはじめとする現行の関係法令には適合していることから、今後、各種方策を計画する上では、こうした既存の中高層建築物の建て替え需要への対応についても、十分な検討が必要であると認識しているところであります。
山脇 南町の5階建てマンション建設計画に対して、蕨市まちづくり指導要綱の第9条「事業者の責務」や、蕨市中高層建築物の建築に係る事前公開及び紛争の調整に関する条例の第4条「関係当事者の責務」が実行されるよう、市として指導すべきと考えるがどうか
部長 「マンション建築計画に対する市としての指導」につきましては、当該計画は、5月16日にまちづくり指導要綱に基づく事前協議を受付け、要綱や中高層条例に基づく手続き、並びに各基準の遵守と近隣関係者への事業概要説明などについて指導を重ねてきており、5月末からこれまでに、2度の住民説明会が開催されるほか、近隣関係者との協議が現在も継続している旨報告を受けております。
市といたしましては、建築主に対し、引き続き良好な関係を損なわないよう、十分な説明など丁寧な対応を求めてまいりますが、建築主、工事施工者、近隣関係者の関係当事者が相互の立場を尊重しながら、互譲の精神をもって紛争の解決に努めていただきたいと考えております。

◆加齢性難聴の補聴器購入費補助制度の創設を
山脇 現在ある補聴器購入費補助金制度の対象や補助内容、支給実績はどうか
健康福祉部長 制度が二種類ございますのでそれぞれお答えいたします。まず、障害者総合支援法に基づく補装具費の支給は、高度難聴用、重度難聴用の補聴器を必要とし、聴覚障害に係る身体障害者手帳の交付を受けている方を対象とするものであり、原則として補聴器購入費用の1割に相当する額をご本人が負担するもので、令和3年度の利用実績は18人でした。
次に、県補助事業である難聴児に対する補聴器購入費の助成は、身体障害者手帳の交付対象とならない軽度・中等度の難聴児に対し、原則補聴器購入費の3分の2を補助する制度で、令和3年度の利用実績はございませんでした。

山脇 高齢者においては聴覚障害によって認知機能が低下する要因ともなりうるが、その見解についてはどうか。また、現在高齢者の特定健診・健康診査で聴覚検査は行われているのか
部長 令和元年に国が策定した認知症施策推進大綱では、認知症の予防法や治療法、ケア技術等の研究開発を進めていくことが示されておりますが、その中では、難聴について認知症の危険因子の一つとされ、今後、予防効果の研究を進めていくとしております。
市としての見解としましても、難聴により会話が繋がらないなどのコミュニケーション不足や、外出控えなどにより、認知症の発症リスクにおいて少なからず影響があるものと考えております。
また、「高齢者の特定健診および後期高齢者健康診査の聴覚検査」につきましては、現在実施しておりません。

山脇 加齢性難聴者に対して、認知症の予防や健康寿命の延伸、医療費の抑制の観点から、補聴器購入費補助金制度の創設が必要と考えるがどうか
部長 補聴器利用によるコミュニケーション能力の向上は、高齢者の生活の質を高め、健康の維持にも資することにより、健康寿命の延伸や医療費の抑制に繋がるものと考えております。
しかしながら、サービスの実施については、財源の確保のほか、実施方法や効果においても検討が必要であることから、国や県内の実施状況等、調査研究してまいりたいと考えております。
市長 必要性は十分承知している。独自の制度は調査検討が必要である。

◆子育て支援として学校給食費の無償化の実現を
山脇 学校給食費の徴収額について10年間の推移はどうか
教育部長 平成24年度 204,276,890円
3年度 230,602,000円となっております。

山脇 現在、新型コロナ・物価高騰緊急対策第7弾で行われている学校給食費負担軽減策の内容は具体的にどのようか
部長 新型コロナウイルス感染症や世界情勢不安などの影響による急激な物価高騰に対し、保護者負担となる給食費を引き上げることなく、食材料を安定的に確保し、給食の質や量を維持しながら、学校給食摂取基準に沿った円滑な給食の提供を図るため、総務省が発表した食料の「消費者物価指数」などを参考に、食材料費上昇分を8%と見込み、その増額分を補助し、支援するもので、令和4年9月から令和5年3月までの学校給食に対し、小学校については1食当たり20円、中学校は24円をそれぞれ上乗せして実施しております。

山脇 子育て世帯の経済的負担の軽減や学校教育の柱の一つである食育推進のため、学校給食費の無償化について検討する考えはないか
部長 学校給食法及び施行令では、学校給食にかかる施設整備費と人件費、修繕費は自治体の負担とされ、それ以外の経費は保護者負担とされておりますが、本市では光熱水費や備品、消耗品費等に係る費用につきましても市が負担し、保護者の皆様には食材費のみを給食費としてご負担いただいているところであります。
 食材費以外の経費を市が負担している中、さらに、現在給食費として保護者の皆様にご負担いただいている総額に相当する財源を毎年恒常的に講じることは、本市の財政状況を考慮いたしますと、難しいものと考えております。
学校給食費の無償化につきましては、子育て世帯の負担軽減を図り、子育て環境の向上を目指すための支援策として意義深く、加速する少子化対策にも効果があるものと考えておりますが、現在、経済的な困難を抱える児童生徒に対しては、就学援助等の制度もあり、法の趣旨や適切な学校給食の運営という観点から、教育委員会といたしましては、今後も必要最低限である食材費に相当する分につきましては、保護者にご負担をお願いしてまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りたいと存じます。
市長 少子化が進む中子育て支援としては意義ある中で、いろいろな角度から慎重な対応が必要である。引き続き、大事なテーマであるのでいろいろな観点から検討していきたい。